笑顔だと若く見える?
ほとんどの人がそう信じています。笑えば若く見える、と。科学はそこまで確信していません。明るい表情のほうが若く推定されるという研究もある一方で、一連の実験は逆を示しました。真顔と比べると、笑顔は1〜2歳上乗せすることがある、と。答えは年齢と、笑ったときの目元しだいです。
議論の始まりとなった研究
2015年、ある研究者が同じ人の笑顔と真顔の写真を、複数の実験・複数の写真セットで見せました。笑顔は、同じ人の真顔の写真より一貫して年上に見えました(Ganel, 2015)。考えられる理由は、笑ったときに目元にできるしわ。見る側がそれを無視できないのです。報道の中で著者は、その差を1〜2歳ほどとしています。
自分で見ても、逆を信じてしまう
続く研究では、年齢を推定してもらった直後に、どの顔が若く見えたかを思い出してもらいました。人々は笑顔を真顔より、真顔を驚いた顔より年上と判断していました。それなのにあとでは、笑顔のほうが若く見えたと記憶していたのです(Ganel & Goodale, 2017)。笑顔は若返るという思い込みは、いま見たものより強いのです。
年齢によって違う
2021年の研究は全年代を調べました。笑顔で老けて見える効果は20〜39歳ではっきり表れ、60〜79歳では消えました。その間の40〜59歳では男性の顔だけに表れ、笑いじわが少なく目立たなかった女性の顔には表れませんでした(Ganel & Goodale, 2021)。すでに年齢のしわがある顔では、笑いじわの重みが小さくなるのです。マスクをしていても笑顔は年上に見えました。目が見えているからです(Ganel & Goodale, 2022)。
では、なぜ逆の結果もあるの?
評価者154人、写真2,052枚で6つの表情を比べた大規模な研究では、真顔がもっとも正確に推定され、怒り・悲しみ・恐れ・嫌悪の表情と比べて、明るい表情が実際より若く推定されることがもっとも多くありました(Voelkle ほか, 2012)。二つの研究の流れは使った写真も問いの立て方も少し違い、まだ最終的な結論は出ていません。どちらも認めるのは、表情が推定年齢を動かすこと、そしてしかめっ面や疲れた顔はまったく得をしないことです。
写真での笑い方
20〜30代でいちばん若く見える写真がほしいなら、目尻にしわが寄らない、やわらかくリラックスした微笑みか、穏やかで感じのいい真顔を試してみてください。60代からは思いきり笑ってOK。笑顔がもう年齢を上乗せしないからです。何歳でも、こわばった作り笑いは避けましょう。実践的なコツは写真で若く見えるコツと年齢を当てるコツにもっとあります。
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